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歯科医院にひざかけがある理由
2019.02.02(土)
「歯科医療から身体の健康を実現する」伊勢原市の近藤歯科医院です。
当院では各診療ユニットにふわふわのひざかけを準備し、治療の際には積極的におかけしております。
その理由は「女性がスカートを着用している場合、足元が冷えるため」ということはもちろんの事ですが、一番の目的は「ふわふわのあたたかいひざかけで安心感を得られる心理効果」です。
この心理効果についてご興味のある方は「ハーロウの代理母実験」を検索してみて下さい。
子供の頃は誰しも保護者に「あたたかな温もり」を求めているとされています。
タオルケットやぬいぐるみを身近に置きたがるのもその「温かみ」「温もり」を無意識的に求めているから。
そのため大人になってからも不安感に襲われた時に、自然と「ふわふわ温かいもの」に手が伸びるのは至極自然なことと言われています。
もちろん全員の患者さまに応用できる心理効果ではないものの、歯科治療時に感じる緊張感や不安感を緩和する一助になれば…という思いでひざ掛けをおすすめしております。
かくいう私はひざ掛けを使用するのが何となく邪魔で気が進まないタイプです。
私のような患者さまも当然いらっしゃる事と思います。
不要な方はご遠慮なくその旨お申し出ください。
いずれにせよ、患者さまの不安感と不快感を少しでも和らげられるよう、治療方法については十分な説明を行い、痛みを最小限に抑えるべく全神経を集中して治療にあたっておりますが、疑問等ございましたらいつでもご遠慮なくお尋ねください。
歯科医院でAED?
2019.01.25(金)
「歯科医療から身体の健康を実現する」近藤歯科医院です。
当院ではAEDを設置しております。
AEDとは心室細動=心臓が正常に拍動できずに痙攣している状態に対し、電気ショックを行い心臓を正常なリズムに戻すための医療機器です。
口腔内の治療を行う歯科医院になぜAEDを?と意外に感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は歯科の医療行為には心停止に至る可能性があるものがいくつかあります。
例えば深い虫歯の治療や抜歯をする際に使用する局所麻酔。
その局所麻酔による死亡リスクは全身麻酔による死亡リスクよりも7~8倍高く、その原因は迷走神経性のショックやアナフィキラシーショック、局所麻酔中毒など様々な原因であるという報告があります。
(※橋内章「全身麻酔のすすめ」真興交易医書出版部)
加えて厚生労働省発行資料にも以下のような記述があります。
「歯科の外来診療においては。誤嚥等の恐れがある小さな治療器具が多用されていること、局所麻酔を行う事例が多いこと、高齢社会の進展に伴い、全身状態の把握・管理が必要な患者が増加していること、抜歯や小手術等観血的処置をする機会が多いことから、患者にとってより安全で安心できる環境を整備する必要がある」
以上をふまえると、歯科医師も全身的医学知識を向上させる必要があるのはもちろんのこと、心停止に至る可能性のある症例に対し速やかかつ効率的な救命処置を行えるようAEDを設置することは義務であるといっても過言ではないでしょう。
またこのように重篤な症状に至った患者さまの約半数が何らかの持病があったとの報告もあることから、患者さまご本人も歯科に限らず治療を受ける際にはできるだけ体調や病歴について正確な申告ができるよう、ご自身の疾患の把握を日頃から行われることを強くお奨め致します。
当院には「応急手当普及員」の資格を有したスタッフもおりますので、ご質問等がございましたらご遠慮なくお尋ね下さい。
口腔ケアでインフルエンザ予防
2019.01.16(水)
「歯科医療から身体の健康を実現する」近藤歯科医院です。
今月9日、厚生労働省はインフルエンザ患者数が「注意報レベルを超えた」と発表しました。
感染防止のために予防接種を受けたり、マスクをしたり、手洗いをしたり、と対策をしていらっしゃる方も多いことと思います。
口腔ケアもインフルエンザ予防に効果的であるという研究結果があります。
※「口腔ケアによる気道感染予防の実施方法と有効性の評価に関する研究事業報告書」(社会保険研究所刊)
その研究概要は
・デイケアに通う65歳以上の高齢者をAグループ(98名)、Bグループ(92名)の2つのグループに分ける
・Aグループは歯科衛生士が口腔内のプロケアを週に1回・6ヶ月間に渡り実施
・Bグループはこれまで通りセルフケアを実施
その結果、インフルエンザ発症者は歯科衛生士がプロケアを行っていたAグループで1名、セルフケアを行っていたBグループでは9名だったというものです。
通常、気道の粘膜は蛋白質に覆われていて、インフルエンザのウィルスが簡単に付着しないようになっています。
ところがその蛋白質が破壊された状態でウィルスが口腔内に入ってくると、ウィルスが気道の粘膜に付着して大増殖します。
この気道の粘膜を守っている蛋白質を破壊するのが、歯垢・歯石・舌苔などから発生する酵素であると言われています。
この調査のポイントは「専門知識を持った歯科衛生士が高齢者の歯垢や歯石を徹底的に除去した」ことです。
ただ漠然と歯磨きをしただけでは口腔内の細菌は減少せず、インフルエンザの予防効果は高まりません。
歯科医院では、日常の歯磨きでは取れない汚れもハンドスケーラーや超音波スケーラーで取り除き、確実に細菌を減少させることが可能です。
歯磨きの方法や歯間ブラシ、デンタルフロスの使用方法についてのアドバイスも行っております。
長期間歯医者に行っていない…という方は身体の健康維持のため、そして一生涯歯を残すためにも、この機会に歯科の受診をおすすめ致します。
歯周病と高血圧
2019.01.04(金)
「歯科医療から身体の健康を実現する」近藤歯科医院です。
今回は「歯周病があると高血圧患者の血圧コントロールに悪影響を与える」ことに触れた論文をご紹介致します。
(原著論文:Davide Pietropaoli/2018 Oct 22/Hypertention)
イタリア・ウクイラ大学の口腔外科医、ピエトロパオリ氏が高血圧患者3600人以上の医療記録と歯科治療の記録を分析したところ、
歯周病がある高血圧患者は、歯周病の無い高血圧患者に比べて収縮期血圧(上の血圧)が2.3〜3.0mmHg高いことが分かりました。
また歯周病があると降圧薬が効きにくく、血圧が目標値まで下がる確率が20%下がることも明らかになりました。
口腔衛生が健康全般にとって重要な要素であることはこれまでも度々言及されてきたことですが、ピエトロパオリ氏も「内科医は高血圧患者に歯周病の兆候が見られたら積極的に歯科治療を進める必要がある。適切な口腔ケアは減塩や運動、体重管理等の血圧コントロールと同程度に重要だ」と述べています。
高血圧は未治療のまま放置すると動脈がもろくなり、脳内出血や脳梗塞、狭心症や心筋梗塞に至る可能性もあるため、適切な治療を行うことが大変重要です。
高血圧治療を行なっている方で歯肉の赤みや腫れ、歯磨きの際の出血といった歯周病のサインが見られる場合は、歯科医院での「プロケア」を強く推奨致します。
当院では歯周病治療はもちろんのこと、虫歯リスク/歯周病リスク/口臭リスクを一度に検査し、数値化できる唾液検査も実施しております。
ご自身の口腔内の状態を確認したいという方はお気軽にお問い合わせください。