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歯周病検診のハガキが届いたら
2023.11.28(火)
歯周病検診は、平成20年度に健康増進法に基づく健康増進の一環として実施がスタートしました。
WHOの研究で、糖尿病やアルツハイマー型認知症、脳卒中等ともに、口腔疾患(むし歯、歯周病、歯の喪失等)が高齢者の健康寿命を喪失させる10大原因の1つと報告されています。
そのため日常的に予防に努める意識を醸成することを目的に、検診対象者である40歳、50歳、60歳、70歳の方には、お住まいの市町村から「歯周病検診」のお知らせが届きます。
「そういえば何年も歯医者に行っていないな..」という方は、ぜひ歯周病検診を受診されることをおすすめします。
検診代はお住まいの市町村が補助しています。
※伊勢原市の場合・・・対象者には4月初旬に受診のお知らせハガキが郵送されます。自己負担額は500円です。
https://www.citiy.isehara.kanagawa.jp/docs/201632200033/
ただし、当院で定期的に検診(予防処置)を受けていらっしゃる方は必ずしも歯周病検診を受けなくても良いかもしれません。
それは当院の定期検診の内容は、歯周病検診の内容よりもかなりきめ細か充実した内容であるためです。
ご参考までに検診の内容を下記に比較します。
[歯周病検診]
①虫歯のチェック
②歯茎のチェック
③口腔粘膜や舌の状態確認
④噛み合わせや歯並びの確認
⑤口腔衛生状態の確認
[当院の定期検診]
①問診
②治療部位の経過確認
③虫歯のチェック
④歯茎のチェック
⑤口腔粘膜や舌の状態確認
⑥噛み合わせや歯並びの確認
⑦口腔衛生状態の確認
⑧レントゲン、口腔内写真、ダイアグノデント(虫歯探知器)等による詳細な検査
⑨歯垢・歯石除去
⑩着色汚れの除去
⑪フッ素塗布
⑫自宅でのお手入れのポイントを患者さまに応じて説明
当院をかかりつけにしていらっしゃる患者さまで、「今回の定期検診は歯周病検診のハガキを利用したい」というご希望の方もいらっしゃいますが、歯周病検診の場合は通常当院で実施している定期検診のように、歯石や着色汚れの除去は行えないことをご理解ください。
検診時間も当院の定期検診の1/3~1/4程度です。
一方で、前述の通り「何年も歯医者に通っていない」という方にとっては、ご自身の口腔内の状況を知る大変良い機会です。
例えば歯を磨くときに出血することがある/口臭が気になる/歯がしみることがある/歯茎にできもののようなものがある..といった症状のある方は強く受診をおすすめいたします。
当院の定期検診の詳細な内容は、またの機会にご紹介いたします。
近藤歯科医院 院長 近藤 淳
歯周病菌が全身に拡散する3つのルート
2020.11.18(水)
歯科医療から全身の健康維持を目指す近藤歯科医院です。
当院が開院当初から患者さまにお伝えしている「口腔内環境が全身に与える影響」。
実際にどのように影響を及ぼすのか、
口腔内細菌が全身に拡散する3つのルート
についてご説明致します。
<ルート①:血管>
歯周病は歯周病菌が歯茎を破壊して血管に侵入する細菌感染症です。
細菌は歯周組織から毛細血管を通り、最初に心臓に到達します。そして心臓を起点にして大動脈から全身の臓器にばらまかれます。
そのため、歯周病菌は頭の先から手足の先まで影響を及ぼします。
↓
・脳に達するため、認知症やうつ病、精神疾患に関連しています。
・手足の血管が閉塞するバージャー病発症リスクを上げます。
・動脈硬化や心筋梗塞、がん、早産、高血圧、糖尿病…と様々な全身症状と関連性があります。
<ルート②:唾液>
成人は1日に1.5ℓ〜2ℓの唾液を飲み込んでいます。
飲み込んだ唾液の中に含まれる歯周病菌は大腸に達するため、腸内フローラのバランスを悪化させます。
↓
・腸内フローラの変化は、自閉症や肥満、アレルギー、糖尿病等様々な疾患との関連性が明らかになっています。
・大腸癌等、腸の疾患の発症リスクが上がります。
<ルート3:誤嚥>
3つ目は唾液と一緒に菌を肺に吸い込んでしまうルートです。
嚥下機能が低下していると、口から食道に入るべき細菌を含んだ唾液が気道に入りこむことがあります。
この誤嚥により肺の中で細菌が増殖します。
↓
肺炎につながる恐れがあります。(誤嚥性肺炎)
上記のように3つのルートで全身に影響を与える口腔内環境。
当院の患者さまでも、「口腔内の状態」が改善したことで、「口腔内以外」の症状が大きく改善したという方が何人もいらっしゃいます。
個人情報が特定されるような詳細な内容は公開できませんが、最近いただきました患者さまの嬉しいお声を2つご紹介致します。
<長年掌蹠膿疱症に悩まされていた70代男性>
当該患者さまは、長年掌を中心とする肌荒れ・発疹に悩み皮膚科に通院していらっしゃいました。当院で治療を終えたお嬢さまからのご紹介でご来院。当院での定期的な歯のクリーニングと自宅での歯磨き習慣により、短期間で症状が劇的に改善しました。
<認知症が進んでいた女性>
この患者さまは毎回ご主人さまが付き添いでご来院されています。抜歯が必要なケースでしたが、ご主人さまサポートのもと、順調に歯の治療を進めることができました。
ご主人さまによると。毎日通っている福祉施設の職員の方から「最近奥様が明るくなりましたが何か変化がありましたか?」と尋ねられたそうです。また、「歯の治療に通っているからかもしれない」とお答えすると、「口臭が無くなりましたよ」ともおっしゃられたとのこと。
院長・スタッフ共に上記のような患者さまのお声を聞くことが嬉しく、たくさんの患者さまに治療のご希望をいただき忙しい毎日でも頑張れてしまいます!
当院の取り組みが、これからも患者さまの健康維持の一助となりましたら幸いです。
ご不安なことやご質問等がございましたら、ご遠慮なくご相談ください。
伊勢原市の歯医者 近藤歯科医院
歯科医師 近藤 淳
「歯科衛生士」と「歯科助手」の違いとは
2020.08.21(金)
こんにちは。
歯科医療から全身の健康維持を目指す伊勢原市の近藤歯科医院です。
歯科医院には色々な役割を持ったスタッフがおり、診療がスムーズに行えるように協力しあっています。
そのスタッフの中でも「歯科衛生士」と「歯科助手」の違いが分かりにくりという方は多いのではないでしょうか?
「歯科衛生士」と「歯科助手」との最も大きな違いは国家資格の有無です。
「歯科衛生士」になるためには、厚生労働省が指定した学校を卒業し、国家試験に合格して国家資格を取得しなければなりません。
一方の「歯科助手」は法的に定められた資格はなく、歯科医療行為を行うことはできません。
「歯科助手」という呼称も法律に定められたものではなく、「アシスタント」や「トリートメントコーディネーター」等を使用している医院もあります。
「歯科衛生士」と「歯科助手」の業務範囲について具体的にいくつか例を挙げてみますと…
歯科衛生士 | 歯科助手 | |
歯や歯茎の確認 | ○ | × |
歯石とり | ○ | × |
フッ素塗布 | ○ | × |
歯型を採る | ○ | × |
というように、患者さまの口に「直接」触れる業務や「医療機器を操作する」という業務は国家資格を有する歯科衛生士でないと行うことができません。
その一方で、歯科助手は治療に使用する器具のセッティングや、歯科医師がスムーズに治療を進めるために器具を手渡したり、歯の型を採るための材料を準備したり、といった様々なサポートを行うことが可能です。
(長年歯科医療に携わっている歯科助手の中には「スーパー歯科助手」と言われるような存在もおり、専門知識が大変豊富で、業務も正確且つ迅速で、それぞれの医院の要として大活躍しています。)
なお、当然のことながら歯科医師と歯科衛生士の業務範囲にも大きな違いがあります。
例えばレントゲンを撮影する際、患者様を装置に誘導し、位置を調節するまでは歯科衛生士が行うことができますが、レントゲンの撮影スイッチボタンを押すことは歯科医師が行わなければいけません。
当院にも歯科医師の他に歯科衛生士と歯科助手が従事しております。
これまではスタッフの名札に職種を記載しておりましたので、患者さまにも分かりやすくご認識いただけていたかと思いますが、現在は新型コロナウィルス対策の一環として、ウィルスが付着する可能性のある名札を着用することを一時的に控えております。
当院ではそれぞれが担当する業務範囲は法令を厳格に遵守しておりますのでご安心ください。
またご不明点等がございましたら是非ご遠慮なくお尋ねください。
伊勢原市の歯医者 近藤歯科医院
歯科医師 近藤 淳
レントゲンで何が分かる?
2020.07.12(日)
歯科医療から全身の健康維持を目指す近藤歯科医院です。
歯科医院を初めて受診する際に、検査で撮影するレントゲン。
ご自身のレントゲンを表示されても、何を表しているのか分かるような分からないような..と言う方はいらっしゃいませんか!?
(かく言う私が歯科業界に携わる前はそうでした^^;)
レントゲンを撮影する目的は視診や触診では分からない、歯や歯茎の内部を確認することです。
レントゲンをどのように見ていただくと良いか、簡単にご説明致しますと、
※歯科医師会提供
・向かって右側が患者さまの左側の歯です。
・硬い組織である歯と骨は白く写っています。
・柔らかい組織である歯茎や血管、神経は黒く写ります。
・虫歯も黒く写ります。
・均一な真っ白に写っているところは、治療跡の人工物です。
歯科医師はこのレントゲン画像から、非常に多くの情報を得て診断を行います。
例えば…
① つめもの・かぶせものの下にできている虫歯の進行度。
②歯を支えている骨の溶け具合。
③歯の根の先の炎症状態の有無とその重症度。
④歯ぐきの下に隠れている歯石があるか、またその付着状態。
⑤親知らずがあるか。それが他の歯に影響を与えていないか。
⑥顎の関節の形態に問題は無いか。
⑦歯の神経は残っているか。
他にもレントゲンには多くの情報が表れており、患者様の口腔内の状態を適切に診断するために必要不可欠なツールです。
まれに当院を初めて受診される患者様で
「レントゲンは撮らないで良いから外れてしまった銀歯だけ被せ直して欲しい」
と強くご希望される方がいらっしゃいます。
当院では前述の理由から、原則全ての方(幼児や妊婦を除く)のレントゲンを撮影しております。
ご理解をお願い致します。
なお、特に妊婦の方が気にされる「レントゲンの被曝量」ですが、
当院が導入しているデジタルレントゲンの場合には飛行機で東京⇄ニューヨークを往復するよりも遥かに低い値です。
※歯科医師会提供。CT撮影の場合は東京⇄ニューヨーク往復より値が高くなります。
このように、妊婦の方が歯科のレントゲンを撮影することは胎児にも母体にも被曝量としては問題がありません。
ただし、妊娠期間中というのはどの女性もお腹の中の我が子を慈しみ、時には大いに心配をし、特に健康管理に敏感になっている時期です。
そのため当院では妊婦の方の心理状態にも最大限配慮し、原則ご妊娠中の患者さまのレントゲン撮影は行っておりません。
場合によっては出産後の治療をお勧めさせていただく場合もございますが、歯科医師とご相談いただきながらご出産に向けて最善の選択をしていただければと思います。
当院では治療時にお座りいただく診療ユニット正面に大型ディスプレイ画面で患者さまのレントゲン画像や口腔内写真の画像を表示しています。
治療時にはぜひご自身の口腔内の状態がどうなっているか是非画像で確認をしてみてください。
伊勢原市の歯医者 近藤歯科医院
歯科医師 近藤 淳
なかなか治療が終わらない…
2020.06.08(月)
歯科医療から全身の健康維持を目指す伊勢原市の近藤歯科医院です。
「なかなか歯の治療が終わらない…」
「治療が一向に進んでいないような気がする..」
そんな疑問やご不安をお持ちの方はいらっしゃいませんか?
当院でも「行けば行くほど歯を削られる」というご批判を口コミ投稿されてしまった苦い経験もあり、患者さまに治療の内容を分かりやすくお伝えする大切さと難しさを感じています。
例えば虫歯治療を例にとると、軽度の虫歯であれば1回の治療で終了というケースは多々あります。
一方で虫歯が重症化し、歯の神経が炎症や感染を起こしている場合等は、
その神経を除去して
→細菌や腐敗産物で汚れた神経が入っていた管(根管)を綺麗にお掃除して
→根管をしっかりと消毒滅菌をして
→根管を再建して
→歯の被せ物の型をとって
→被せ物が出来上がったら噛み合わせを確認しながら装着して終了
…と治療が終わるまで複数回通院していただくことが必要です。
そのため場合によっては数ヶ月の治療期間を要します。
しかも根管は直径1ミリ以下と非常に細く、硬くなった部分や湾曲しているものもあります。
その根管に対して小さな器具を完全に通過させて清掃し、菌を完全に除去してから形態を整えますので、万が一強引に治療を進めてしまうようなことがあれば、口腔内組織が損傷したり、十分に消毒滅菌されないまま被せ物で蓋をされた状態で治療を終えることとなります。
その結果、治療を行った歯の根管が再感染を起こし、再び強い痛みが生じたり、根の周囲の組織に炎症が広がり、残せるはずだったであろう歯を抜かなければならなくなるという大変残念な結果となる可能性が高まるのです。
このように「虫歯の治療」と言ってもその重症度によって治療回数が異なることを何となくでもイメージしていただけましたでしょうか。
歯科医師もなるべく専門用語の使用は避け、患者さまが分かりやすい説明を心がけてはおりますが、ご不明点やご不安な事がございましたらご遠慮なくお尋ねください。
なお、大切なイベントを控えている等、治療期間に制約がある方は事前にご相談ください。
最短の予約日で治療が進むよう、予め複数のご予約を承るという対応が可能な場合がございます。
あるいはその部位の状態によっては治療自体を大切なイベントが終了するまで控えていただける場合もございます。
もちろん大前提として虫歯や歯周病が重症化し、治療期間が長くならないようにするにはご自宅での毎日のお手入れや、歯科医院で定期的にメインテナンスを受けていただくことが大切です。
定期検診ではセルフケアのコツもお伝えしております。
是非年に数回の習慣にしていただくことをお勧め致します。
伊勢原市の歯医者 近藤歯科医院
歯科医師 近藤 淳