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日本の歯科治療と金属について➀
2019.04.08(月)
歯科医療から身体の健康を実現する伊勢原市の近藤歯科医院です。
4月も中旬に差し掛かり、花粉症の辛い症状が徐々に和らいできた…という方が多いのではないでしょうか。
アレルギーは花粉や食物、薬物、動物等通常あればそれほど問題のない外来異物に対して免疫系が過剰に反応し、身体に様々な症状を引き起こす免疫機能障害です。
このアレルギーは歯科医療とも深い関わりがあります。
それは「金属アレルギー」です。
日本の歯科医療で一般的に使用される「銀歯」は、正確には「金銀パラジウム合金」という名称で、パラジウムが含まれた合金です。
このパラジウムはアレルギー反応を引き起こしやすいため、諸外国では使用されていません。ドイツでは歯科医療でパラジウムを使用することを禁止する勧告が保健省より出されており、スウェーデンでも妊婦と小児には使用が禁止されています。
またアレルギーだけではなく、パラジウム合金が溶け出し、歯肉に入り込んでタトゥーのように黒く変色させる「メタルタトゥー」を引き起こすことがあることも問題となっています。
この金銀パラジウム合金が日本の保険診療で使用されている背景は、戦後の日本の経済力が乏しい時代に、貴金属に替わる安価な代用金属として導入されたというものです。
なお当時の「歯科用金属規格委員会」はできるだけ早い時期に「パラジウム合金」から「金合金」に移行すべきであると報告書内で発表しています。
とはいえこのように健康上好ましい素材ではないものの、全ての方に金属の詰め物により不調が現れる訳ではありません。
当院としてもパラジウム合金を使用した歯科治療を全否定するものではなく、過剰に不安を煽ろうとするものでもありません。
ただし、可能であればパラジウム合金を口腔内に使用することは避けるべきであり、そういった観点から金属の詰め物や被せ物をする治療をしなくても良いように、日頃からご自身の口腔内の状態に関心を持っていただければと思います。
また進行初期の虫歯であれば、保険治療内でも金属ではなく樹脂を使用した治療方法を選択できる場合があります。
虫歯治療で金属を使用する必要の無いよう、まずは自宅での口腔ケアをしっかりと、さらに定期的に歯科医院を受診されることをお勧め致します。
既に口腔内にある金属を「メタルフリー素材」に変更したいという方はまずご来院の上ご相談ください。
お電話にてお問い合わせいただく機会も多いのですが、使用する部位、患者さまが求める審美性等により適した素材も治療代金も異なります。
正確なカウンセリングを受けたいという方、あるいは院長のカウンセリングを受けたいとい方はご来院いただくことをお勧めしております。
その他ご不明点についてはご遠慮無くお問い合わせください。
伊勢原市の歯医者 近藤歯科医院
歯科医師 近藤 淳